約 205,114 件
https://w.atwiki.jp/tokitoki/pages/44.html
#blognavi 三週目終盤にしてトラブル発生。大トラブルです。 実は二十二日の朝から、「ナンカ喉かすれてない(・~・)?」と思っていたのですが、それが二十三日の昼すぎに一気にあてくしに牙をむいたのです。 全身の関節、特に腰から背中にむけて。隣の共用キッチンからのほんの数mが痛い、というより、ダイニングの木の椅子に座っていると腰骨がぁぁぁ(ノД`) 必死の思いで部屋へと戻ったあてくしは、まぶたの中で遠ざかるシシィ様の博物館のシルエットを見ながら、うめき声とともに、ベッドの中へ倒れたのでありました。 「いだぁぁぁい・・・(´Д´;)ヾ」 その後部屋の鍵こそしまっているものの窓も開けっ放し、履物は脱ぎっぱなし、服は散乱した状態の部屋で寝続けるあてくし。 問題はその先。 日が暮れて、腹の減ったあてくしは気がつきました。 「ハッo(;′0′)oシマッタ! 買い物行ってない」 そう。冷蔵庫にあるものはわずかのミニトマトと、シャンピニオン、超ローファット脂肪分1%の牛乳、モッツァレラ、ほとんどもうないアイスティー。戸棚の中に大量の玉葱と、粉末スープのもと、紅茶、砂糖だけ。 腰が痛くてうめいている人間に、さて何ができるでしょう? キッチンは只今満員。あてくしが椅子を持ち込んでババァくさく調理をする場所はない。 その上、なんか熱っぽいのか頭がぐゎしぐゎしいってるんですが・・・ もういい、寝る(´Д⊂ あてくしは残りのアイスティーを流し込み、足りない水分は水で補うと、トマトを食べてそそくさとキッチンを退散。 そして、部屋でチョコレートを食べてエネルギー補給をして、愛用の日本からのお供、バファリン大明神様を口に投げ入れて、再び、バタンQ。 翌日。 高熱らしきものはどこかへいったものの、絶賛腰の痛み発生中で、動けない。寝返りをうとうとすると、カテーテル手術のあとの足の付け根がなぜかおかしい。 やっぱりここはあんときからおかしいんだって(⊃д⊂) 結局午前中の授業は休まざるを得なかった。 くやぢい・・・ ふて腐れて二度ねするあてくし。。。 昼前。再び目が覚めて、とりあえず、座れそうなのでパソコンを立ち上げて親へ報告。一応例のダニだったりすると、連絡することもできなくなるので。 その後は痛がる体を引きずってシャワーを浴び、洗面台で洗濯中だったものを洗いなおして、昼ごはんを買いに出かける。 そこであてくしは、「風邪引いてるからって何もそんなに食えないわよヽ(´~`; 」とおもえる量の食糧を買い込む。 これ食いきれなかったらどうしよ・・・お姉さまにおしつけていくか♪ すげー迷惑( з ) まぁ、その後はおとなしく部屋に引きこもり、ベッドで安静。 何事もなく、その後はバファリン大明神様のお陰で体調も好転しております。 カテゴリ [三週目] - trackback- 2006年08月26日 04 02 52 #blognavi
https://w.atwiki.jp/cbnwiki/pages/19.html
CBN内で使われる単語や名言等を紹介するところ あ行 アインハンダー(あいんはんだー) 1997年11月20日にスクウェア(現スクウェア・エニックス)より発売された横スクロールシューティングゲームだが、ドイツ語でein=1,hand=手 である事から、beatmania2DXを片手でプレイするプレイヤーの事をアインハンダーと呼んでいる。しかしメンバーで使っているのは一人だけである。 か行 キャベツ太郎(きゃべつたろう) 有名なお菓子メーカー「やおきん」から発売されているお菓子。BBQ時の焼きキャベツ太郎はもはや恒例であるが、焼いたところであまり味に変化は無い。醤油をさして美味しそうに見せる努力もあったが、やはりあまり味に変化はなかった。 ケツ触るぞ(けつさわるぞ) 第三回CBNOFFでゆいがKENTに放った言葉。ちなみにKENTのケツは一回100円である。 けんとけん オンライン上、もしくはオフライン上でナイスな行いをした者に、手書きの紙でKENTから気まぐれに贈られるささやかな賞のような物。1枚で1回有効で、本人に「使います」と申請する事により、期限付きでKENTを自由にしてもいい権利を与えられる。もちろん有効期間中はKENTのケツも無料。と言う設定であるが、今の所使用の例がない。 ゴロンゴロン(ごろんごろん) 二人組みが背中を合わせ両腕を組み、地面をゴロゴロ転がること。見ている側としては愉快だがやっている人は相当の痛みに耐えなければいけない。考えた本人は今だにやっていない。 さ行 CBNer(しーびーえなー) CYBER BEAT NATiONSメンバーであることを称してこう呼ぶ。略して「エナー」と呼ぶ者もいる。 た行 寺田先生 「胃腸.jp」のリンクから見ることができる、寺田病院のキャラクター。 立ち姿や首の無さ、上向きの顔と表情は一部のCBNerを魅了した。 参考URL ttp //www.terada-hp.org/qa/qa.htm トレクソ (とれくそ) ゆいがとれすとに付けたあだ名。 本人も気に入っていたようで一時期DJnameにもなっていた。 な行 は行 早く島根に帰んな(はやくしまねにかえんな) 第三回CBNOFFで哲也がとれすとに放った言葉。あまりに唐突な発言だったため、未だにとれすとにはよく使われる。 フンスパー(ふんすぱー) beatmania IIDX 11 IIDX REDに収録されているRED ZONEの歌詞の一部。主に胴上げで使用される。 ま行 や行 ら行 蓮舫(れんほう) 仕分けている人。突然mixiボイスで「なぜ7鍵なんでしょうか。5鍵じゃ駄目なんでしょうか」 とメンバー3人が一斉に書き込み、1時間だけ爆発的人気を誇る。 その後、mixiコミュニティに何故か蓮舫トピックが立てられる。 わ行
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/2356.html
726 :名物桜で待ち合わせ 第三話:2011/08/30(火) 23 09 27 ID naDhzcps 結局、一樹は愛に連れられてラブホテルの一室にやって来た。 しかし・・・。 「・・・!」 「大丈夫だ!今日は私のおごりだ!」 やって来た部屋の広さと充実さに、一樹は思わず口を開けた。大きな冷蔵庫や収納スペース、隣の部屋にはSM専用の部屋と道具一式がある。風呂を覗いてみると、簡易露天風呂に加え様々な道具が揃っている。 「君の童貞卒業だ。豪華な場所でしたいだろ?」 一樹はまだキョロキョロしている。愛は一樹の背中を撫でた。 「さぁ!風呂に入ろう!」 先に入った一樹は、頭を洗いながら色々考える。 完璧な女性と言われてる愛さんが俺の童貞をもらってくれる!?冗談にしてはやりすぎだ! しかし、ここまでしてもらっているということは本気ってことか?愛さんが俺のこと・・・! もしこれが本当なら・・・しかし・・・う~ん・・・。 ガラガラ! 「失礼するよ。」 愛が風呂場に入ってきたが、頭を洗っているため姿が見れない。 それを確認した愛は、ニヤリと笑い 「背中を流してあげよう。」 と言って、ボディーソープに手を伸ばした。 そして・・・。 ふにゅ! 「!!!」 突如背中に感じる弾力のある二つの感触、それでいて柔らかさもある! いつもは服越しだったからわからなかった!すごいでかさだ!F?H?それ以上? 「Kカップだ。」 一樹の心臓が一気に高鳴った! Kだって?テレビの中の世界だと思っていたのが俺の背中に! 「では隅々まで洗うぞ?」 愛は自慢の胸を、一樹の背中にスライドさせる。もちろん乳首のおまけ付きだ。 どんどんと背中を丸める一樹。今までの人生で一番のビッグサイズにまで成長した股間を隠すように。 727 :風見 ◆uXa/.w6006:2011/08/30(火) 23 10 02 ID naDhzcps 「よし!これくらいでいいだろう!」 やっと背中から胸が離れた。風呂に入っているはずなのに、一樹は変な汗をかいた気がした。 「さぁ、洗い流すぞ。」 体を洗い終えた二人。 「うん、ちょうどいい温度だ。」 湯船に浸かる愛は、一樹に向かって手招きをした。 「入らないのか?遠慮するな、ほらほら。」 愛が太ももの上を指差しながら手招きをする。 「じゃあ・・・失礼します・・・。」 なぜだか変にかしこまる一樹に、愛は笑いながら後ろから優しく抱いた。 湯船に浸かっているはずなのに、一樹の体には常に変な汗がつきまとう。 背中に感じるゴムまりのような感触が二つ、そして優しく抱いてくれている女性。この二つの要素が、何より一樹を興奮させていた。自然と静まる空間。 「あの・・・愛さん。」 空間の雰囲気に耐えられなくなり、一樹は口を開いた。 「愛さんは・・・彼氏とかいたんですか?」 一樹の頭を撫でる愛は、語るように口を開いた。 「いや・・・実は私は処女なんだ。」 さらに言葉を続ける。 「私は大学生の時、高校のテニス部にOBとして参加していたんだ。その時、ある後輩に恋をしてしまったんだ。 しかし私は大学生で向こうは高校生、しかも一年生だ。頻繁に会うこともできないから、私は恋を諦めようと決意した。 しかし・・・どうしてもその後輩が忘れられなかった。いつかその後輩と巡りあったら、私は自分の想いを伝えようと思った。 例えそれが十年先や二十年先でも・・・。」 728 :名物桜で待ち合わせ 第三話:2011/08/30(火) 23 10 49 ID naDhzcps またもや静まる空間。 「愛さん・・・その人には会えたんですか?」 愛は一樹の頭を再び撫でたのち、 ちゅううう! 「!!!???」 一樹は肩に柔らかい感触を、頬に黒髪の感触を感じた。 「あ!愛さん!」 愛は一樹の肩にキスをしていた。突然のことで戸惑う一樹の頭を撫でながら、構わずキスを続ける愛。 しばらく続いたところで、 ちゅううう!!! 「痛!」 長い、長すぎる。そして徐々に感じる痛み。 これはもしかして・・・吸ってる!? そう感じた瞬間、肩に更なる痛みが走った!吸い付きが前触れもなしに強くなった! 「痛い痛い痛いです!愛さん!」 唇がようやく離れた。一樹は備え付けの鏡を見た。 「!!!???」 うわ!ひどいキスの跡だ・・・。これは明日明後日じゃ消えないだろう。 ちゅううう! さらに続ける愛。今度は逆の肩に。 「痛いですって愛さん!もっと優しく!」 構わず続ける愛。一樹は愛に恐怖を感じていた。 結局、一樹は愛に肩や頬など合計八ヶ所に跡をつけられた。頬以外は服を着れば隠せるが、頬は目に見えて強く吸われたようだ。終わってもまだ痺れている。 「君を狙っている人は、私以外にもいるという話を聞いてな、私は決して君を渡さない!だから私のものである証を付けさせてもらった。」 さっきまでかいていた変な汗が冷えきるほどの恐怖を感じた一樹は、愛の顔を見れずただ下を向いていた。 「誰にも渡さない・・・!私の初恋の相手を!」
https://w.atwiki.jp/eikatsu/pages/744.html
最大HPと現在HPの差による。 体力PSと似たような性質を持つが、HPの減少により威力が発揮されるという性質のため、前者より扱いづらいとされる。 【痛みPSのスキル】 アヴェンジャー クルセイド ディールカウンター テラースクリーム バーサーク リプライザル
https://w.atwiki.jp/a320/pages/159.html
資料集 内臓4GBの認識 Windows VISTA等で内臓4GBが認識されなかったら? Windows6.0-KB971035を導入しよう。 Windows6.0-KB971035-x86.msu :WindowsXP以前のOS、WindowsXP(32bit版)、WindowsVista(32bit版)、Windows7(32bit版) Windows6.0-KB971035-x64.msu :WindowsXP(64bit版)、WindowsVista(64bit版)、Windows7(64bit版) Dingoonity.org: Dingoo and Vista 64Bit SP2 263 :名無しさん@お腹いっぱい。:2010/12/05(日) 18 03 30 ID 0qBcW7bT Vistaで認識しない人は、 「vista 丁果A320」でググると幸せになれるかも。 265 :260:2010/12/05(日) 23 04 16 ID hlM3oHGw 263 http //urakaizoupc.blog123.fc2.com/blog-entry-384.html こちらですよね? 自分もこのサイトは見ました。 Windows6.0-KB971035-x86.msuを導入しようとした事があるんですよ。 「この更新プログラムはお使いのシステムには適用されません」 と表示され、インストールできません。 VISTAにも32bit版と64bit版があり。 前者ならOKだけど後者はNGなのかなと思ってましたが。 実際の所はどうなのでしょうか。 491 :名無しさん@お腹いっぱい。:2011/01/04(火) 13 34 07 ID 3nNgcoLI 265 自己レス ●Win Vista Home Premium SP2 (64bit版) この環境で、A320本体の内蔵メモリ4GBをPCに認識させる事ができました。 ちょっとまとめてみます。 ■1.Windows6.0-KB971035-x86.msu http //www.microsoft.com/downloads/details.aspx?FamilyID=76cb963b-0488-496c-821c-72674841f3db DisplayLang=ja 結果:NG 「この更新プログラムはお使いのシステムには適用されません」と表示される。 ■2.Windows6.0-KB971035-x64.msu http //support.microsoft.com/kb/971035/ja 結果:OK 無事に、本体4GBをリムーバブルディスクとして認識してくれた。 他サイトで調べてみたら、こんな関係にあるようです。 x86・・・WindowsXP以前のOS、WindowsXP(32bit版)、WindowsVista(32bit版) x64・・・WindowsXP(64bit版)、WindowsVista(64bit版)
https://w.atwiki.jp/streetpoint/pages/734.html
はなもあらしも 店を出ると、もうすっかり日は暮れて辺りは夜になっていた。 「早く帰らなきゃ」 少し急ぎ足で日輪道場への道を歩き出す。 しばらく進むと、ともえは背後に気配を感じた。 何だろうとピタリと足を止めるとその気配も止まり、歩き出すと気配も動く。 大きな通りから橋を渡って一本暗い道に入ると、その気配は色濃くなる。ほんの少し嫌な予感がともえの思考をかすめると、途端にその気配は消えたのだった。 気の所為だったのかと一息吐いて歩き出そうとした瞬間だった。 「きゃあっ!?」 バキィッ!! という渇いた音と同時にともえの足に激痛が走る。くずおれる両膝に、咄嗟にともえは荷物をしっかりと腕に抱き込み、体を反転させて背中から地面へと倒れた。 ドザアアッッッ!! 勢い良く倒れたともえは、頭上から振って来た声に我が耳を疑った。 「日輪道場など、無くなってしまえばいいんだ!」 「お前みたいな田舎娘は、田舎道場がお似合いなんだよ!」 「なっ、なんですって!?」 顔を上げると、路地の脇に立つ男二人がくるりと踵を返し、逃げるように走り去って行った。 間違いなく笠原道場の門下生だろう。日輪道場の名を口にしていたし、ともえを田舎娘と言い捨てた。 先日の笠原道場での見覚えはなかったが、若い男なのは間違いない。 「おいっ! ともえ!」 痛みに耐え、荷物の無事を確認しようと体を起こしかけた所へ、前方から慌てて走り寄る颯太を見つけてともえは脱力する。 「颯太?」 「何なんだ、今のはっ!?」 そう言ってともえの体を起こすと、直ぐさま男達が消えた路地へと飛び込んだ。 「そっ、颯太っ!?」 あまりの早さにに止める事ができなかった。 「颯太っ! 颯太あっ!」 声の限り叫ぶと、暗がりからのっそりと颯太が顔を出す。 「くそっ、逃げられた……」 そう言う颯太の手には、着物の切れ端が握られていた。 「まさか、本当に追いかけたの?」 「当たり前だろ? 暴漢だぞ!? って、それより本当に大丈夫か? お前の姿を見つけたと思ったら、急にそこの脇から何かが飛び出して来てお前の足に当たったから、びっくりしたんだ」 「私は何が何だか、急だったから分からなくって」 ともえが着物の裾をめくると、左足にくっきりと棒状の痣が浮き上がっていた。 「何だよこれ! すげー腫れてるじゃん! 医者だ、医者行くぞっ!」 それから颯太は強引にともえの背中に荷物をくくりつけ、おぶったかと思うと走り出した。 「わあっ!?」 「落ちんなよ!」 どんどんとその足を速める颯太の様子に、ともえは胸が躍る。 年下でちょっと乱暴な物言いの颯太だが、実に思いやりがあって優しい青年だ。 そうか、そうなんだ…… ともえは気付く。自分が颯太を、仲間としてではなく、男性として意識し始めている事に。 颯太と共に上下する振動は、ともえの高鳴り出した心臓の音をかき消してくれた。そしてほんの少し、颯太の首に回した腕に力を込めた。 →罠(颯太)No.3へ 颯太編へ戻る ブラウザを閉じてお戻りくださいv はなもあらしもトップへ戻る
https://w.atwiki.jp/gspink/pages/152.html
御剣×冥 扉をノックすると、深く穏やかな声が「開いている」と答えてきた。幼い頃から、聞き慣れてきた声だった。 「できの悪い弟のようなものよ」といきがってみたとて、実際には、7歳年上の男は「兄」と呼ぶべきだし、メイの中でも彼はそんな位置にあった。 常に、メイの視線の先にあったのは、御剣怜侍の背中だった。 振り向かない、己ひとりの悪夢と自虐と目標にしか顔を向けない、広い広い冷たい背中。 ――あの、背中…… 胸の奥が、痛みとも熱ともつかない何かでズキリとうずく。 それは脊椎から腰椎へと滑り落ちて、いつまでも冷めない熱になってメイの中にくすぶった。 「入るわよ」 声と同時に扉を開く。 正面の窓の傍らに、あの背中が、書き物机の椅子に深く腰かけていた。 もともと、主なき狩魔邸に彼を招待したのはメイだった。 「私はもう、あの家に足を踏み入れることはできない」と、一度は御剣は断った。 だが、メイは同じ検事として、よく知っていた。狩魔邸に眠る膨大な資料が、敏腕検事として知られる御剣にとってどれほど魅力的であり、かつ、重要であるかということを。 「あの邸の、今の主は私よ。その私が許可したのだから、貴方は誰に遠慮する筋合いもないわ」 そう言ってメイは、半ば強引に御剣を誘った。 メイがアメリカから一時帰国し、邸の雑事を片づけるのだと知り、御剣はそれならばと、メイの招待を受け入れた。 日本的感覚で言うならば、彼女はまだ未成年だ。そんな彼女ひとりに、雑務を押しつけることへの抵抗があったのだろう。 そして今、御剣は、昔、狩魔豪が彼のために与えた一室、その書き物机の前に腰掛けて、メイの前に無防備な背中を晒している。 狩魔豪は、この邸の書籍を自由に漁ることを、怜侍青年に許していた。むしろ、彼がこの邸のすべての資料を読破することを要求さえした。 夜を徹して知に淫する御剣のために、狩魔邸には彼の個室があったのだ。 メイが用件を切り出すまで、振り返るつもりはないのだろう。椅子の傍らにも、机の上にも、山と書籍を積み上げて、御剣は読書に熱中している。 それは10年間、ずっと変わらない冷たい背中だった。 ぎしり、と、メイの手の中で、己の腕の一部のように使いこなした鞭がきしる。 頁をめくる、御剣の大きな手がぴたりと止まった。 「メイ、」 大きな本を半ば抱くようにかかえたまま、御剣が椅子を後ろに引いて振り返ろうとする。 だが、 「動かないで」 ピシリ! 御剣の顔の、すぐ数センチ脇の空気を鞭が切り裂いた。 「……何の真似だ? メイ。ここは法廷でも現場でもないが」 「法廷よ。貴方の罪を、私が裁く。……背中にみみずばれを作りたくなかったら、おとなしく前を向いていなさい」 「私の罪……」 呟いた御剣は、視線の先の本に向けて、ほんのわずかに笑いかけたようだった。 だが、振り返ろうとはしない。再び、大きな――だが繊細なその手は、頁をめくって読書に戻る。 「本を閉じて」 ぱたん、とおとなしく手は本を閉じて机の上に置いた。 「服を脱ぐの。……上だけでいいわ」 「メイ?」 おだやかな声はあくまで、妹をたしなめる兄のようで、それが彼女を苛立たせる。 「お父様の前では脱いだくせに、私の前では脱げないの? ……言ったでしょう。今のこの邸の主は、私なのよ」 刹那、キィン、と凍るような気配が部屋を支配したように、メイには思えた。 再び、鞭を鳴らし、今度は御剣の机の上に立てられたペン立て、その中のペン一本を叩き飛ばす。獰猛な獣を威嚇する、猛獣使いのように。 「脱ぎなさい、御剣怜侍」 「……」 小さな嘆息が、背を向けたままの御剣から漏れ、彼はベストとシャツのボタンを外すと、腰かけたまま、ぐっと背をそらすようにしてそれを脱いだ。 しっかりと筋肉のついた腕が翻り、ベッドに衣服が投げ捨てられる。 そして御剣はゆったりと、肘掛に両肘を預けて椅子に腰掛けなおした。 「これでよろしいかね」 「結構よ」 傲慢に答えてメイは、鞭をまといつかせながら腕を組んだ。 「変わらないわね、その背中。……また少し鍛えられたようだけど」 「どのような職であれ、体は資本なのでね。それなりに整えているつもりだ」 「私が見ていたことを、貴方は知っていたのかしら? お父様は、何でも知っていらした方だったけど」 「……そうなのではないかと、思ってはいたよ」 それが、メイの台詞の前者に向けられたものか、後者に向けられたものか、メイは確認はしなかった。 「背もたれが邪魔ね。……立ちなさい」 不気味なほど大人しく、潔く椅子を後ろにどけて、壁に向いたままの御剣はゆっくりと立ち上がる。 検事としては不必要なほど、ストイックに細身に鍛えられたその広い背に、メイはゆっくりと近づき、そして、手を伸ばした。 「……傷だらけだったわ、いつも」 冷たい指先が、染みひとつない背中にひたりと触れる。 「ひとつ、失策をおかすたびに、お父様はひとつ、貴方を鞭打たせた。 ……見ていたのよ。貴方は今と同じ格好で、壁に手をついていたから知らなかったでしょうけど。私は見ていたわ。あの地下室の扉の隙間から」 「私の無様な悲鳴をお聞かせして、申し訳なかったな」 御剣の若さが、声にこめられたかすかな屈辱の思いとなって現れたのを、メイは聞き逃さなかった。 ゆっくりと息づく背中に手を当てたまま、メイは、御剣の声からそれを引き出したのが自分であることに陶然と酔いしれる。 「ええ、無様で、素敵な声だった……きっとお父様も、心の底ではわくわくしていたに違いないわ。 完璧を目指す貴方が――誇り高く傷つきやすい貴方が、小さな失敗をひとつするたびに、次はどう打ち据えてやろうかと」 「おかげさまで、そこらの生温い弁護士とは格段の覚悟をもって法廷に挑めたよ。 打たれた夜は、悪夢を見ることすらなかった。……痛みと屈辱で眠れやしなかったからな」 「……ふふ」 メイはさらに一歩を踏み出し、ひきしまったその背中に、己の胸をぴったりと押しつけるようにして寄りかかった。 目の前にある肩甲骨に、ちろりと舌を這わせると、かすかな震えがその筋肉に走るのがわかった。 「この背中が……私をおかしくしてしまったのよ、レイジ……」 押しつけられた、やわらかな胸の感触を御剣はきっと感じ取っているだろう。 その胸が、常の通りのかっちりと取り澄ましたスーツに包まれてはいないことも。 扉を開いた時に、振り返っていれば、いくら鈍感な男でも気づいていたはずなのだ。今のメイは、身体を隠す役になど立っていない薄いネグリジェの下に、黒いレースの下着をつけているだけだったのだから。 「メイ、離れたまえ――」 「この私に命令することは許さないわ」 彼女は渾身の力をこめて、目の前に浮いた肩甲骨を噛みしめた。口の中に血の味が広がり、耐える御剣が息を飲んで顎をそらす。 「薄暗い部屋の中で、貴方はじっと耐えていた。痛みよりも、お父様が冷酷にひとつひとつ数え上げる、自分のミスが屈辱だったのかしら? 犬のように打たれるたびに、壁を殴りつけてわめきながら耐えていたわ……」 「君の手の内の鞭は、私の背中のせいだと言いたいのか?」 「わからないでしょうね、貴方には。……貴方の背中は、本当に美しかったのよ」 自分の身体が女性として変わり行く様を見つめる、あの多感な、夢見がちな少女の頃に、扉の隙間から覗き見た背中。 びっしりと、醜悪な蟲が這ったような青黒い、赤黒い無数の痣が、広く、強く、白い背中を穢していた。 「わからないでしょう、私が、貴方のことを心の中で何に喩えていたかなど」 汗に濡れて光り、その蟲から逃げるようによじられる背中はまるで、どんな痛みや屈辱にも犯されぬ、高潔なる奴隷のようだと彼女は思ったのだ。 だがその背中は父親のもので、彼女に、その背に触れることは許されておらず…… 鬱屈した、やり場のない背徳的な想いが、幼い彼女の手に鞭を握らせたのだった。 『好きよ』 振り返らない背中、声は出さず、唇の動きだけでそう囁いて、メイは鞭を持たぬほうの手を、背中からゆっくりと腹の方へと回した。 だが不意に、ビクリと震えて手を引こうとする。 「なぜ手を引く?」 沈痛なほどに落ち着いた、御剣の声だった。 その大きな手は、腹の方に這ってきたメイのほっそりした手を、包み込むように握りしめていた。 「……放しなさい」 「打てば良い、私を」 長い指がゆっくりと、メイの手の形を辿るように彼女の指と手の甲を撫でる。 「レイジ……ッ」 爪の先を軽く擦られ、指の股に差し込むように五指が絡みつき、きゅ、と軽く握られる。 それだけで、指先から全身に甘い戦慄が走り、メイは一瞬ふらついた。 「私を打て。打ちたいのならば。君にならば、理由なく打たれたとてさほどつらくはない。……だが、」 「……何なの……?」 たった片手を取られた、それだけで己の不利をひしひしと感じながら、メイは力なく問い返す。 「君は、私を打つ必要はあるまいよ。 今更打たれずとも、私の魂は君の奴隷だ」 手を引かれた――と気づいた時には、メイの身体は攫われるように、御剣の前に引き据えられて両肩を捕まれていた。 「ふっ……振り向くなと言ったでしょう! 痛い目に遭いたいの!」 「だから、打てば良いと言っている。……それに私は、振り向いてはいないよ」 身体がやや反っているように見えるほど、たくましい胸。それが目の前にあることに気づいて、メイは、先ほどまでの居丈高な言動を思い出すことができず、赤面して視線を反らせる。 後ずさろうとして、腰に机の角が当たり、御剣の言葉の正しさを思い知った。彼は、振り返ったのではない。その強い腕で、メイを捕らえて抱き寄せたのだ……身体の前に。 「……綺麗な胸だ」 己の思考を読み取られたのか、と焦って見上げれば、御剣の眼は、じっと、やわらかく盛り上がったネグリジェの下に注がれていた。 「見ないで!」 「……そんな服を着ているのに?」 言われれば、己のしていることがどれほど子供っぽく、馬鹿げたことかを指摘されたような気がして、メイの声には一瞬、涙がにじむ。 「あ、貴方はいつもそう……取り澄まして……ひとりで耐え抜いて……私のことなんか気にもしてない、落ち着き払って……なのにあんな弁護士にだけ弱味を見せて頼ったりして!」 「成歩堂にまで嫉妬されても困るな」 「バカぁ!」 「メイ、君がもう少し足許を見ていたら、いかに私が落ち着き払っていないか、よくわかってくれたはずなのだが」 その声にほんのわずかな照れを感じて、メイは顔をあげ、それから言われたとおり「足許」を――下を見た。 「……!」 彼女の見慣れぬ、隆々たる「でっぱり」が、御剣の細身のストレートパンツの……股間にしっかり陣取っている。 「イ、イヤぁ……!」 とっさに出たのがその言葉だったのに、やはり困惑したらしく、御剣は小さな溜息をひとつついて、「すまない」と低い声で謝った。 「君があまりに扇情的かつ……魅力的だったもので。……結果、こうなった」 メイの両肩を捕まえたまま、御剣は己の両肩をすくめて呟く。 「レ……レイジ」 「君は強情っぱりで、ひたむきで、情熱的で」 「レイジ、……だめ、」 両肩からがっしりした右手が外れ、細く浮いた鎖骨をするすると辿っている。恐ろしく吸引力のある、初めて見る熱っぽい視線に絡められて、メイは御剣の眼から視線を外すことができない。 「いつも必死で、負けず嫌いで、なのにひどく繊細で」 「やめて、……お願い」 やんわりと左の乳房を包み込むように触れた手が、ぴたりと止まった。 「やめて」とメイが命じただけで。 「……そして臆病で……愛らしい」 手が、動かない。メイは常より近いところに、御剣の顔があることに気づいた。 彼が少し、腰をかがめたのだ。 「メイ?」 低く穏やかな、名を呼ぶ声。 勝てるはずがない。幼い頃より一度たりとて、彼女はこの男に勝てなかったのだ。 ふらふらと吸い寄せられるように、顔を上向けて背伸びをする。 そして彼女は己から……己の唇を、御剣怜侍に差し出した。 触れ合った唇を、御剣は動かそうとはしなかった。 初めての、理解できぬ狂熱にわななきながら、メイは己から唇を開き、震える舌で御剣の唇を舐めた。 その時になってはじめて、自ら己を奴隷だと言った男は許しを得たと認識したのか、ぐっとさらに顔を低くして深く彼女にキスをした。 片手で抱き潰してしまえそうな細い背に、大きな両手が回ってしっかり彼女を支え、そして、首の前の留め紐を探り当てる。 慣れぬ彼女の舌を誘うように優しく己の舌で撫で……だが、それだけで彼女の身体からは力が抜けて怯えるように顔が背けられた。 「レイ、……たすけて、レイジ……だめよ……」 「力を抜いて大丈夫だ」 左腕一本で彼女を抱き支えたまま、御剣の右手が器用にいくつもの留め紐を引っ張り、外していく。 こんな時でさえ、女性の夜着を脱がせることに手慣れている男への怒りが立って、メイは両腕を突っ張った。 「イヤ……! キライ……放して……」 うわ言のように拒絶すれば、憎らしいことに、御剣は大人しく手を止める。 もう一度、バカ! と叩きつけるように叫びたくても、震える唇から大声は出ず、甘えるように彼女は「バカぁ、」と泣き声を出しただけだった。 「脱がせてもいいだろうか?」 「い、いちいち……聞かないで!」 真っ赤になった顔を両手で覆うと、再び身体が抱き寄せられ、そして、音もなくネグリジェは左右に開かれた。 「聞かないと、許可を貰えないのでね。言っただろう、私は奴隷だと。君も望んでいたはずだ。私に傅かれることを」 すぐ耳元で、驚くほど熱い息がささやき、彼女は両手を覆ったままよろめいた。御剣はその足許に跪き、くずおれた彼女の身体を抱きとめる。 「さぁ、ご主人様、ご命令を」 奴隷とは名ばかりの、身体の繋がりなくしてすでに彼女をがんじがらめに捕らえた男が、それでも敬虔に彼女に許しを請う。 裸の胸に抱きしめられて、やわらかな乳房をだらしなく押しつけさせられて、背は絶えずゆるやかに撫でられて……彼女はそれだけで陥落した。 「……わ……わたしを……抱きなさい……!」 次の瞬間、彼女の身体は勢い良く抱き上げられて、御剣の寝台に放り出されていた。 火のような熱さが、脚の間に続けざまに弾けている。 自分は今セックスをしているのだ、と、何とかそれだけは理解できたが、涙で潤むメイの視界に映るのは、天井と、御剣の揺れる髪だけだった。 「あっ、あ、いやっ、あぁっ……」 小さく突き上げられるたびに、彼女自身もよくわからないままに、声が勝手に出てしまう。だが、もう、彼女は自分が声をあげていることすら自覚できてはいなかった。 「レイジ、レイジ……!」 名を呼べば助けてくれる、何とかしてくれる。そう無意識に渇望して泣き声を出すと、恥ずかしいほど尖った乳首を舌で押しつぶしていた御剣が、顔をあげてメイの顔を覗き込む。 「メイ、つらいのか……?」 「つ、……つ、つらい……わ」 何がつらいのかわからなかったが、とにかく、自分は今死にそうなのだ。 それを訴えたくて、泣きじゃくりながらそう答えると、こんな時でも、困ったように御剣は眉を寄せて、そして、覆いかぶさるようにメイの身体を抱きしめた。 「大丈夫、だ……メイ……大丈夫……」 耳元にかかる熱い息。 その声が乱れて揺れていることが、何となく、メイを安心させ、裏腹に、鼓膜の奥の奥をかっと火照らせる。 御剣の手がのびて、彼女の両手を、己の背中に回させた。すがるものができたことにまた、少し安心して、彼女は必死にその背に爪を立ててしがみついた。 苦痛の低い呻きを漏らして、御剣はあやすように、己もまた彼女の背に片手を回し、抱きしめて背を撫でてやる。 先程のように乳房が押しつぶされ、先端がぐり、と曲げられて、メイは痛みと羞恥とそれ以上の――言葉にしたくもないものに狼狽し、かかとで無様に御剣の腿を蹴った。 「レイジ……あぁ、も、うっ、だめ……っ」 「あと、少し……少しだけ……」 命令なんて聞かないじゃない! そう怒って爪を立てる自分と、本当に命令したいのはそれじゃないでしょう、と己を嘲る自分との、両側から引っ張られて、メイの心は引き裂ける。 ずっと追いかけてきた、広い背中。 両手を回して抱きしめても、抱きしめきれない、がっちり骨の太い……愛しい背中。 それにただ、すがりついて揺れながら、メイは快楽を貪ることすらできず、ひたすら御剣怜侍の名を呼びつづけた。 初めての行為に疲れきり昏睡したメイが、綺麗に拭われた身体を目覚めさせた時、彼女はやっと、隣に眠る広い背中に気づくだろう。 絶望的な想いにかられて、永遠に追いつけぬと思いつづけたその背中、父が打たせた醜い蟲が這っていたその美しい背中に、 今は、彼女のつけた爪の跡だけが、その所有権を誇らしく主張しているのだということを。
https://w.atwiki.jp/majicaa/pages/621.html
{\ト、}\ノ⌒´ { {__ノ \ V⌒\ }\ 人___,/⌒Y } . r==八. \∧ / } __________{(}/⌒\ ∧ハ / /⌒} 人 ≦三\____,>-- \ ∧ト、 __/ / ノ }____) \___{ r===\_}rノ\__/⌒/ /{__// ー─{\ 人{ jfr} \ ト、{ / ̄ / ̄\____ ∨二)ノ ^ノ}{.八 __,ノ (___// ̄ ̄} }\\`> {∨ラ})__) 〈 ( 人__}___ { \\ \ ̄ ̄({ ∧____) { { { )ノ 〈___〉 \ /⌒⌒\ .{_}三三三≧x r一' rク _____ノ} ⌒\/ \ {(__ 人 |===イ/⌒\--人⌒\_, ──一'⌒\_/ } {\\ \__ノ |/{/{ 〈___{/⌒\∧ / 〈{_ }┌─┐ .}_ 人 \\ ) └r==={ 〈_// ) }ニ/ / /⌒\ テノ /人___. { ∧ }//^\ }/ _r=}≧ }_厂(___/ノニ{ {_/ {/⌒ -/(_}}__}_) { /∧ // } } {/人三三二ニ=‐- 人.人___ノ ノ { 〉⌒\} 〈_ /∧ / / /} } }============\_ノ } { {⌒\タノ ノ -{-{\ ∧ { /人__ノ/⌒}_// /⌒\_ノ 人 \_/二ニ=‐-人_}) \ ∧ {___ ⌒Y }=イ⌒\./{{⌒\\ } / ̄ ̄ ̄ ̄/}\_)ノ ∧ } } { 八__} }_ノ{ \\ }__ノ_ ,. <´//} \\ _ノ }人 } { ̄}\__ノ二二ニ=< ///} \\ { _人 {⌒} ノ { {二ニニニニ/ ////} \\ Flaring Pain / 鋭い痛み (1)(赤) インスタント このターン、ダメージは軽減できない。 フラッシュバック(赤)(あなたはあなたの墓地にあるこのカードを、そのフラッシュバック・コストで唱えてもよい。その後それを追放する。) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/1785.html
366 :転載:2010/08/14(土) 22 41 16 ID uPkb+fr5 49 名前: 風雪 3話 ◆ f7vqmWFAqQ 2010/08/14(土) 22 33 25 ID qybzXf/Y0 この世は無限の可能性で出来ている。 そう、どんなにエキセントリックな出来事でも、起きる事はある。 例えば、教室に謎の組織が乱入するとか、そんな男子中学生の妄想みたいな出来事でもだ。 はたまた、朝起きたら自分が醜い虫に変身していた…とか。 そう、こんな非日常過ぎる出来事があるんだ! だから、いじめっ子にパシられて代理告白をして、その告白の効果が自分に帰属するなんてよくある話… 「な訳あるかッ!!!!!」 「…どうした?」隣の女性がこちらの顔を覗きこんで訝しんできた。 いや、はい、あの、どうしたらいいんですかね、僕。いっそ逃げたい。 ただいま夕方。僕は今日の朝に告白の代理を押し付けられた。 そして、何故か僕が、現在進行形で隣を歩く双葉宮風子と交際する事になってしまった。 「なあ、雪斗」 おいおいおい、よく考えたら明日、広瀬に殺されかねないって。 「おーい、雪斗」 どうすっかなぁ、どうすっかなぁ。 今更「実はあの告白は代理告白で、僕の気持ちじゃ無いんです☆てへッ」なんて言うしかないよなぁ。 「どうしたんだー?」 でも、お互いの為にならないんだよな。こういうの。正直に言うべきなんだよ。 「…?」 でも、結果的に傷つける訳だしなぁ…。 「おい!」 「ウがっ!」額に衝撃が走る。正面を見ると、デコピンを撃った後の状態の右手と背の高い彼女が居た。 どうやら、デコピンを食らったようだ。地味に痛い。同時に目も覚める。 「えっ、あ、何ですか?」 「あーいや、話掛けてもボーっとしてたから、つい、ね。」 「すいません。」とりあえず、平謝りをかましてみた。 「まあ、いいんだ。許す代わりにだ、その、今度の日曜日、デートに行くぞ!」 「デート、ですか。」 思考再開。このままの関係を惰性で続けて意味があるんだろうか。 そもそも、デートって何処行きゃ良いんだよ。童貞に分かる訳ねーだろ! 「何か予定でもあるのか?」 「あー、いや、えっと」 言おう!あの告白は僕の意思じゃないって事を。 367 :転載:2010/08/14(土) 22 41 39 ID uPkb+fr5 50 名前: 風雪 3話 ◆ f7vqmWFAqQ 2010/08/14(土) 22 33 50 ID qybzXf/Y0 「えっとで…フがっ」何かにぶつかった。幸い、電柱の様な固い物では無かったが。 だが、ぶつかった対象物を見ると、幸いでも無かったが。 「ンダコラ!テメェ!前見て歩けゴラァ!」パターン青、不良グループです。 つーか、なんだこの不良。ステレオタイプ過ぎる…。腰パンに学ランにリーゼントって…昭和時代ですか、この野郎。 しかも、他の2人もステレオタイプ…なんて口には出せなかった。とりあえず平謝りをかまそう。 「す…すいません…」 「アァ!?聞こえねーぞ!あ!?」 タチ悪いな畜生! 「しかも彼女連れか、優雅だなテメェ!ウゼーな!」 すいません。僕は望んでないのに交際まで嗅ぎつけました。 大体なぁ、彼女欲しいなら作る努力しやがれ!ねだるな、勝ち取れ!それが人生のルールだろうが! 「おい!おめーら!こいつボコって、そこの女まわそうぜ!」 後ろの2人は、そのリーダー格っぽい男の提案に乗ったようで、気色の悪い歪んだ微笑みを見せてきた。 マズい!逃げよう!そう思って先輩の手を握って逃げるつもりだった。 しかし、儚くもその即席の計画は失敗した。 手を握る前に、頬をぶん殴られて吹っ飛ぶ。 柵に背中をぶつけて激痛が走る。背中と頬の痛みがデコピンの比じゃない。 くそ、先輩だけでも…守らないと。ここで「僕にかまわず逃げて!」とか言ってみたい。 死亡フラグだけど、人生で一度は言ってみたいんだよね。 「先輩、逃…げ…て…」 驚くべき光景が、僕の目に映った。 先輩がリーダー格の男を締めあげている。 地べたには、他2名が顔を腫らして、這いつくばっていた。 「暴力は嫌いだから平和的に解決しようと思ったが、話し合いでは解決できないみたいだな。」 「「ヒ、ヒイイイイ!」」 あ、リーダー格の男を残して、同級生らしき2名が逃げた。 「ちょ…おま…!!おい!!」 「で、どうする?お前もこの場から立ち去るか?」 「は、ハヒィ!も、もういちゃもん付けませんから!許して下さいッ!!」 先輩の手が不良を放す。不良は尻もちをついた後、脱兎の如く逃げだした。 かわいそうに…全治何週間するんだろう…。ご愁傷様です不良君。 368 :転載:2010/08/14(土) 22 42 02 ID uPkb+fr5 51 名前: 風雪 3話 ◆ f7vqmWFAqQ 2010/08/14(土) 22 34 11 ID qybzXf/Y0 先輩がこちらに近づいてくる。 「大丈夫か?」 先輩の手が、殴られた僕の頬に触れた。 「こんな真珠の様な肌に傷を…。あいつらにはもっと制裁を加えても良かったな…」 「大丈夫です。なので頬をぷにぷにしないで下さい…」あと、後半の台詞、冗談でも笑えない。 「しかし、君の頬は綺麗で、それでいてぷにぷにして気持ちいいな!女としては羨ましい限りだ。」 「そりゃ…どーも。」不覚にも照れる。 しかし、『実はあの告白は代理告白で、僕の気持ちじゃ無いんです☆てへッ』なんて言ったら殺されかねないという事が分かった。 先輩が僕の頬から手を離して、その手を差し伸べる。 その手を掴んで先輩に起こして貰って、2本の足だけで立っている状態に戻る。 「でさ、デートの件なんだが…」 「ニチヨウビデスヨネ!マカセテクダサイヨ!」 「な、なんだ急に?まあ、楽しみにしてるよ!」 「アハハハハ、ボクモタノシミダナー!」 背中が冷や汗でべったりだった。 ◆ 尾行していたら、有力情報をゲットした。 雪斗と双葉宮が日曜日にデートすることが分かったのだ。 さて、尾行してやろうっと。
https://w.atwiki.jp/immensus/pages/51.html
六人いた。うち一人は倒れていて、四人は知らない男だった。 無双。いちおう無事のようだ。広い空間に躍り込んだとき、全員の目がこちらを向いた気がした。 無双。それからその前後に、背の小さい男が二人。やや間をあけて、がっしりした男、それからまた間をあけ、膝立ちの、細身の男。無双の援護に行くには距離があるし、間を開けた二人が邪魔だ。 そう思ったときには、脇をすり抜けるようにして、量子が跳んでいた。がっしりした男に向かう。 場慣れしているはずがないくせに。魔界は小さく舌打ちして、細身の男に向かった。 男。間合いに近付いた時には、中腰に構えていた。右腕から、かなり出血しているように見える。 だが、手強い。肌で感じた。半端な相手ではない。プロ。頭によぎる。同時に、別のものもよぎった。かつての仲間。マスターと不二子。二人は無事なのか。 いまは、この場をどうにかすることだった。無双がここにいるということは、無双の狙いはもう少しで達成されるということだ。 自分の事件ではない。だが、こいつは自分の相手だ。そう決めた。 横に二歩、ずれる。男はこちらを見てはいるが、動かない。爬虫類のような、いまいち表情の読めない男だ。一歩踏み込んだ。 間合いを詰めるなり、左拳がきた。ぎりぎりでかわす。すぐさま裏拳。頬に食らったが、こちらも相手の頬にたたき込んだ。互いによろける。 立て直したところで、下段の蹴りがきた。さらに脇腹。それほど重くはないが、腹のなかを掻き回されたような気分になって、息が詰まった。 そこに、なにか。食らう前に、地面を蹴った。男にぶつかる。右拳を腹にたたき込んだ。耳元で、男が息を吐いた。 もう一発。そして膝蹴り。相手の腿の中間あたりに入った。思った瞬間、肩を突き飛ばされ、腹に食らった。 息が詰まりかけたが、後ろによろけたおかげで、なんとか空気が入ってきた。はあっ、と大きく吐く。男も、肩で息をしていた。 同じか。いや、出血があるぶん、向こうのほうが不利のはずだ。どれだけの傷なのかは、服に隠れてよく判らない。 ふいに一歩、男が引いた。痩せた顔が、何か思い出したように動く。なんだ。 男は二歩下がり、いきなり背後に走り出した。コンテナの隙間の道。逃げた。そう思うのにやや間があいた。追って、コンテナの隙間に入る。 男は速かった。足はかなり速いほうだが、同じくらいかもしれない。手負いとは思えなかった。だが、少しずつ追いついている。 コンテナをいくつ追い抜いたのか、いきなり男が立ち止まった。蹴り。来ると判り、体を捻ったが、男のかかとは左肩に食い込んできた。指先まで、電気が走ったような痛みが抜ける。 体勢を崩した右頬を殴られ、後方にのけ反る。そこを、腹、腿と、さらに二発蹴られた。 くそったれ。三度目に、腹に来た蹴りを抱え込み、押し飛ばした。男が尻餅をつく。このやろう。 追って蹴る。二回で、右足を掴まれた。半回転して、左足の踵を、相手の頭めがけて振りおろした。だが、男は足を放し、そこから消えた。踏み込んだ右を軸に、左足。かわされた。 足が止まった。男は四つん這いのままだが、なぜか追撃できなかった。 「なあ、おい」 不意に、男が喋った。意外と高い、粘り気の強い声。 「お前が誰だか知らねえけどよ、やり合う意味もねえんじゃねえか」 「誰だか知らねえのにか」 男は、唇の片側を吊り上げて、鼻で笑った。 「俺が誰だかは知ってるのよ、俺ゃ」 いいながら、男が立ち上がる。 「仕事でやってんだ。お前は違いそうだな」 間合い。わずかに遠い。お互い、不意打ちはできない。少なくとも拳では、だ。足はどうか。 「答えたくねえってか。まあいいさ。じゃあこういうことよ」 男が、左手を腰にあて、右手のひらを低い位置で開いてみせた。 「俺はあのアマをぶっ潰せりゃいいんだが、そりゃどうも無理そうでな。だからこれ以上なんかやるのは割にあわねえ。損ばっかりでな」 男は、少しだけ右腕の怪我をみた。 「そこにきてお前よ。お前とやり合うのは割にあわねえどころか、意味もねえ。この辺りにしねえか、おい」 「なるほどな」 「お前にだって悪い話じゃねえだろう」 構えを解いて、両手を腰にあてた。男の笑いに、下卑たものが混ざる。 「ずいぶん」 「ああ?」 「安っぽいやつだな、お前」 男の顔に張り付いていた笑みが消えた。かわりに滲み出てくる、凄み。いや、なにか凄惨なもの。 「残念だ」 言った瞬間、男の左手が背中に回った。こちらも回す。 回した手を前に突き出したのは、ほぼ同時だった。相手の手の中に、鈍色に光るものがある。オートマチックタイプの銃。 「へえ」 男が、唇の片側を吊り上げて言った。どうやらこういう笑い方らしい。 「いいおもちゃを持ってるじゃねえか、え。どこで買ったんだ、あんちゃん」 こちらの手にあるのは、銃と似たシルエットではあるが、まったく違うものだ。見た目にも、たいしたものではない。 だが、これがたしかに人を殺していた。一撃。どういうものなのか判らないが、撃てば、威力はある。 「撃てば、お前は死ぬぜ」 口にしてみた。男。やはり、笑っている。 「死ぬぞ」 「やってみなよ、え。いいおもちゃだからな、そりゃ」 不意に、破裂音がした。それと同時に、右太股をなにかが通り抜けた。膝が折れる。 何が起きたのか。アスファルトがそばにあった。呻き声。自分の声である。それを聞いてから、猛烈な痛みに襲われた。 撃たれた。そう気付いたのは、男の笑みを見上げてからだった。 「撃てやしねえくせに」 全身からいやな汗が噴きだしている。暑いはずなのに、背中のあたりに寒気がはしる。太股。撃たれたあたりを左手で必死に掴んだ。右拳で、左手を押さえつける。 指の間から漏れ出してくる、血の感触。とにかく、なんとかして止めなければ。 「お前、あれの男かなんかなのか、おい」 男の爪先が、腹に食い込んできた。 「ざまがねえな、お前」 さらに、腹。だが、あまり痛みはなかった。苦しさも、たいしてない。からかっているのだ。足の痛みと熱さが、怒りで一瞬、弱くなった。 いきなり、髪を掴まれた。引き上げられる。弱くなった痛みが、また暴れだした。男の顔。唇の片側を吊り上げた笑みではなかった。亀裂のような笑み。 「悪ぃがよ、あの女にゃ勝てなくても、お前とは違うのよ」 こいつは。腹の底でなにかがうねっているような気分になった。痛みがそれを、さらに掻き回す。 頭を後ろに飛ばされた。コンテナ。頭はぶつけなかったが、背中を強く打ちつけて、一度呼吸が止まった。足が痺れる。 「ちょっかい出さなきゃ死ななかったんだぜ。後悔するんだな」 また銃声。今度はすぐに痛みがきた。右肩。頭の奥が熱くなり、背中が冷たくなる。傷口の内側で、何かが暴れ回っているような感じだ。 今まで感じたことのある痛みではない。はっきりとそう思うことが、かえって意識を束ねている。この男。怒りや憎しみが、恐怖も抑えていた。 激痛のなかに、なにかはっきりしたものがあった。傷口の内側だけではない。自分のなかで、何かが暴れはじめている。 頬を、なにか硬いもので張られた。 「馬鹿だよ、あんた」 男が、前髪を掴んで、顔を近付けてきた。いつの間にか、しゃがんだのだろう。 馬鹿はお前だ。言ったつもりだが、口には出なかったのかもしれない。男が、なんだという顔をした。 そうしていればいいさ、慢心野郎。 右の人差し指を曲げる。反動はほとんどなかった。男が、一周顔を引きつらせたと思うと、あっと声を発した。 男の右肘あたりに当たったのだ。みるみる血がひろがってゆく。水気の多い、小さな破裂音。聞いていた。男が、また声をあげた。 銃。右手から取り落としている。 「てめえっ」 男が、右腕を抱え込みながら、顔をあげた。苦痛が張り付いたような、歪んだ顔。爬虫類のような顔は吹き飛んでいる。 残酷なものがよぎった。腕をあげる。痛みが、なぜか消えた。 「待てっ」 上体を持ち上げて男が言い終わる前に、引き金を引いた。一瞬、男の体が折れた。同時に、腹に染みがぱっとひろがった。シャツが内側から、見る間に膨らんでゆく。 男が、掠れた呻き声をあげて、尻餅をついた。そのまま、コンテナによりかかる。そしてそのまま、男は動かなくなった。 ふと見ると、伸ばしきった右脚の踵まで、男の血が押してきていた。いや、これは自分の血かもしれない。どこまでがどっちの血か判らなかった。 勝った。血のにおいが鼻をついたとき、ふと感じた。 だが、無双は。無双はどうなったのか。そして量子は無事なのか。ヤマは。 不意に、傷口が痛んだ。ひとのことより、自分をどうにかしなければ。思ったが、それもすぐに消えた。 死ぬのだろう、俺も。それを、ただあることとして受け止められるような、そういう気持ちになっていた。 あいつもこういう場所で死んだ。いやな縁だが、そういうものかもしれない。 一度、目の前が暗くなった。 マスター。生き残っているだろうか。お前ひとりに背負わしちまうことになるな。すまないが、頼むぜ。 日差しが、肌を焼くようで痛かった。顔だけ、左に背ける。 人がいた。気のせいか。いや、こちらに向かってくる。体の半分ほどが日に当たって、そこだけ浮かび上がっているようだった。スーツのジャケット。 高城だった。 「修羅場だな」 いつの間にか、高城は脇まできていた。 「見たくない顔だ」 「頭ははっきりしているようだ」 死ぬ前に見るのが、この辛気臭い顔か。うんざりしたが、そういうものかもしれない。 「死なせんよ、お前は」 複数の足音が聞こえた気がした。迎えがもう来てる。高城。意識が遠のいた。 「量子が」 「いるのか、この先に」 頷いたつもりだったが、頭は動かなかった。だが、高城はわかった、と言った。 「お前は先に行って、休んでいろ。あとは私がやろう」 この野郎、凄みのある声を出しやがって。高城の背後に、黒い影がゆらめいて見えた。 影。そう思った途端、目の前が真っ暗になった。